だいちゃん660329 鉄道と旅の記録

日常のちょっとした旅を記録したページです。X - @Daisukeueda6

スローに進化する街。紀勢沿線を訪ねる旅 2008年アーカイブス


皆様こん**は、毎日暑いですね。あと何回、『暑いですね』と言わなければならないのでしょうか?さて、夏と言えば『青春18きっぷ』の旅です。今日は青い海を見ようと思い立ち、紀勢本線にやってきました!。。。が、天気はご覧の通り。青空は雲の向こうに隠れてしまいました。天気予報は晴れ時々曇りだったのにー。とりあえず、普通列車を乗り継いで、南へ、南へ。

と、言うことで、岩代駅までやってきました。

岩代駅から歩いてポイントへ向かいます。ここで私は重大なミスを犯していました。。。それはまた後で。。。猛暑の中、急坂が体に応えますね。

丁度踏切の音。特急くろしおがやってきました。

さて、撮影ポイントに到着です。この絶景をご覧下さい。海が青ければもっとよかったのにー。

続いてやってきたオーシャンアローをサイドから。

後追いでもう一枚。最後尾は貫通型の車両でした。

つづいて線路脇に降りれる場所を発見しました。普通電車の113系(中間車を改造したタイプ)です。

つづいておなじみJR西日本カラーの113系です。この区間国鉄型車両の楽園ですね。

特急くろしおです。あれ、ヘッドマークが変ですね『しらはま』と書かれています。臨時列車かと思い時刻表を見直したら、定期列車でした。こんなこともあるんですね。

天王寺方面のくろしおを捉えました。返す返すも、空の色が恨めしい~。

岩代駅から気がつけばかなり歩いていました。なんだか頭がぼーっと。。心臓の鼓動が異常に早い。。。腕を見ると、鳥肌が立っています。寒いわけではないのになぜ。。。はっ!これはまさか熱中症にかかっているのでは?!あわてて水分補給。。。水がありません!駅で買っておくのを忘れていました。これは大変です。こんなところで倒れてしまってはシャレになりません。あたりに自動販売機は。。。必死で探しまわって、ある別荘地の管理室にようやく販売機を見つけました。許可なく入れないのですが、そんなこと言ってられません。どうにか水を買い求め、ことなきを得ました。皆さん、真夏の撮影は気をつけましょう。本当に危ないところでした。で、水と用意していた昼食を平らげ、撮影再開です。381系スーパーくろしおを正面から捉えました。

続いて113系です。やっぱり体がだるい。。。集中力が保てません。先ほど熱中症になりかけたのがこたえているのか。。。まだ撮影したい列車はあったのですが、駅で小休止することにしました。

体を引きずるように駅に向かい、しばらく休憩しました。1時間ほど休憩の後、無理せずに駅近くのポイントで撮影再開です。113系普通列車です。海水浴に来られていた方と出会いました。何の写真を撮っているのか聞かれ、『海に入ると気持ちいいですよ』と、言われました。今日は暑いから気持ち良さそうですね。

新宮行きオーシャンアローを広角で捉えました。

そして、京都行きオーシャンアローを撮影の後、戻ることにしました。撤収したとたんに晴れてきました。。。

さてさて、岩代から普通列車で30分ほど。御坊駅にやってきました。どうにか体調は戻ったようです。

改札口にこんなものが、風鈴の音って、聞いているだけで涼しくなりますね。

さあ、御坊駅に降り立った理由はこれ、紀州鉄道の撮影です。紀州鉄道は、紀勢本線から離れた御坊市街地との連絡を目的に、1928年に設立、鉄道を1931年に開業しました。当初から経営は厳しく、戦後も風水害などの被災や自家用車の普及によって、1960年代には廃止の危機に追い込まれていたこともありました。1979年には不動産・リゾート開発を営む鶴屋産業の傘下に入り、現在に至るまでリゾート開発を軸とする不動産業を主力部門としています。鉄道線は1989年4月1日に末端区間西御坊駅日高川駅0.7kmが廃止されましたが、その後は廃止の話は浮上していません。

遠くから踏切の音。あのときと変わらぬバス窓の気動車がやってきました。このキハ600型は、1960年製です。元大分交通耶馬渓線の車両で、同線が廃止された1975年に同社から譲り受けたそうです。正面二枚窓・両運転台の18m級車体ですが、側窓がいわゆるバス窓でその下に補強帯(ウインドウシル)を残すこと、DMH17Bエンジン(160PS)搭載、小断面車体など、国鉄キハ10系気動車の影響が強く見られ、近年では珍しくなった古典的気動車として鉄道ファンから人気を集めています。座席はボックスシートと、車端部のロングシートとのセミクロスシート。床は油引きの板張り、室内灯は白熱灯、エンジンの排気ガスは屋上でなく床下に直接排気するなど、随所に古典的な構造を残す車両です。

折り返しをローアングルで。この寂れ具合が何とも言えないですね。

枕木の中にまで雑草が生い茂り、典型的なローカル線の線路です。

日も傾いてきました。これから、紀州鉄道に乗車します。紀州鉄道への乗車は、夕方から夕暮れにかけてが絶対におすすめです。

紀州鉄道はここ0番ホームから出発です。

私の乗る列車がやってきました。夕日が、優しい光を投げかけています。

早速入ってみましょう。入り口はこんな感じです。自分の子供の頃の車内風景を見ているようです。

この車内をご覧下さい。非冷房で窓の開く車内、ブーンと忙しく回っている扇風機の音、板張りの床、天井のグローブ灯、赤い布ばりの堅い椅子。。。こんな車両がまだ現役なのですね。夕方の優しい光に、赤いシートがとってもよく似合ってます。乗車は夕方がおすすめと言った理由がおわかりいただけますか?

このグローブ灯は、最近のレトロ調電車のように蛍光灯ではなく、本物の白熱灯です。

網棚上には、近くの保育園児童が描いた絵が飾ってあります。

御坊駅を出発して、数分で学門駅にやってきました。この駅の入場券は『学校の門に入場する』と、縁起がよく、入学祈願のお守りとして買い求める人が多いそうです。

紀伊御坊駅には、604号車が部品取り用として留置されています。まだ車籍はあり、廃車とはなっていませんが、主要部品のほとんどが失われており、二度と動くことはないそうです。

沿線で唯一の有人駅、紀伊御坊駅です。

折り返しの列車で、御坊駅に戻りました。

のんびり走る紀州鉄道に揺られながら、こんなゆっくりしたスピードで、街も、人々も進化していけばいいのにと思いました。何もかもスピード優先、せわしなく時間が過ぎてゆく私たちの街は、この鉄道と共存できるでしょうか?私たちをとりまく時間は、いつからこんなにも早く流れるようになってしまったのでしょうか?ゆっくり流れるからこそ見つけられる景色がある、ゆっくり流れるからこそ気付く想いがあると、管理人は思ってならないのです。