見たかった空。歩きたかった大地。出会いたかった北の秋。(3)2004年アーカイブス
おはようございます。今日は遠軽からの出発です。最初の予定では、白滝付近に紅葉を撮影する予定でしたが、早朝に通過する列車がなく、後々の予定にも影響するので白滝は諦める事にしました。その代わり、狩勝峠に行くことにして出発です。とりあえず、石北本線沿いの国道を走ります。
途中、生野駅付近を通過しました。本線の駅とは思えないですね。
置戸付近の山間です。見事に紅葉しています。
いくつも峠を越えて、車は十勝平野にさしかかってきました。日本最大の平野である十勝平野、見渡す限り草原が広がっています。後ろに見える大雪山系の山々も、見事に紅葉しています。
早速狩勝峠の名撮影地、増田山に向かいます。地図に乗っている道なのに未舗装の獣道のような細い道、ここで立ち往生したらどうしようと少々の不安を覚えつつも、山を登って行きました。辺りは牧場が多くあり、馬がのんびりと佇んでいました。
増田山山頂に登ってみると。。感動です。視界いっぱいに見事な草原が広がっています。さすがは日本の鉄道3大景観のひとつ、あまりのスケールの大きさにしばし我を忘れて見入ってしまいました。
列車はやってきました。DF200牽引の貨物列車です。
キハ283系スーパーとかち、帯広行きです。
同じくキハ283系のスーパーおおぞら、札幌行きです。
増田山を下りた私は、列車をアップで狙えるポイントを探して移動しました。まずは西新得信号場です。丁度普通列車の交換風景が見られました。
つづいて、トンネル付近のカーブで撮影です。今日のスーパーおおぞらは10連で運転です。
撮影の合間に、牧場の雄大な風景を撮影しました。河原では、もみじが美しい色の葉をつけています。
新得での撮影を終え、帯広方面へ。帯広から2つ釧路よりの稲士別駅にやってきました。帯広からたった2駅でこの雰囲気です。稲士別駅は普通列車の殆どが通過してしまう秘境駅です。
スーパーおおぞらと、普通列車(通過)がやってきました。普通列車は2429D。滝川から釧路まで走破する、現在では日本で最も長距離を走る鈍行列車です。
ここからは、すこし懐かしい路線を訪ねてみましょう。旧国鉄の広尾線、広尾線と言えば『愛の国から幸福へ』というキャンペーンであまりにも有名になった愛国駅と幸福駅がある路線です。広尾線は廃止されましたが、両駅は博物館として大事に保存されています。
まずは愛国駅です。
愛国駅構内には、昔広尾線で走っていた9600型蒸気機関車が保存されています。保存状態はきわめて良好です。この機関車は幸せ者ですね。
愛国と幸福の間には、大正駅があります。大正駅はホームのみ残されています。
幸福駅には、2両のキハ22型が保存されています。この姿、この色、懐かしい限りです。
キハ22型を見ている間に、なんだか胸がいっぱいになってしまいました。私の少年時代の思い出、この朱色の単行気動車、毎日毎日、見ていた列車の光景が蘇ってきます。石炭に沸き、貧しいが元気だった頃の北海道。楽しい思い出も辛い思い出も、全てが沸き立つように蘇ってきました。私が本当に本当に会いたかった北海道は、自分の少年時代の記憶だったのかもしれません。固いシートに座って開かない窓から車窓を眺めてみると、この列車がたまらなく愛しくて、恥ずかしながら、目頭が熱くなってしまいました。今日はまだ時間が早いですが、終了する事にします。さあ、明日はどちらに行きましょうか。。。。