だいちゃん660329 鉄道と旅の記録

日常のちょっとした旅を記録したページです。X - @Daisukeueda6

桜の足跡。夢を紡いだ時間 2005年アーカイブス

桜の季節はあっという間に過ぎていきました。パッと咲いてパッと散る。この儚くもある潔さが桜という花の美しさをより際立たせていると思います。また関東出張となった私は、桜の残り香を求めて千葉県の小湊鉄道にやってきました。ここは、昨年訪れた際、驚くような偶然があった場所です。

早朝の五井駅から始発列車に乗車です。今日は快晴、いい写真が撮れるといいのですが。。今日は小湊鉄道一日フリー切符(1700円)を購入して乗り鉄も楽しむことにしました。

6時27分。始発列車はエンジン音を響かせて出発です。車内には数人の乗客しかいません。この小湊鉄道は、地方ローカル線には珍しくワンマン化されていません。その為、全ての列車に車掌さんが乗務しています。昔ながらの検札鋏を持って車内を改札して廻る車掌さんを見ていると、自分の少年時代を思い出しますね。五井駅からおよそ1時間で、月崎駅に到着しました。この駅は桜で有名な駅ですが、既に殆どの花が散っておりました。

上総牛久から上総中野までは閑散区間。列車は1時間に1本です。駅近くの畑に菜の花が咲いています。あれこれアングルを試していると、畑の持ち主の方がやってきて、畑の中に入って撮影してもいいよと言って下さいました。なんでも季節には多くのファンがこの場所に詰めかけるとか。。快く場所を提供して下さったご主人に感謝して撮影しました。菜の花が間近で撮影できます。青空と黄色い菜の花の中を走る気動車は絶景ですね。

続いて、近くの踏切へ。枕木の上に桜の花びらが舞い落ちています。風が吹く度に桜の花びらが雪のように舞う絶景です。

ここでも、遅咲きの桜の木と菜の花を一緒に撮影です。深呼吸したくなるような絶景です。

駅に戻ってきました。保線用らしい貨車が桜の木の下に佇んでいます。おとぎ話に出て来るような光景ですね。

小さな溝を桜の花びらがさらさらと流れて行きます。咲き誇り、楽しかった記憶と一緒に流れて行くようです。今日のテーマ『桜の足跡』にぴったりの光景です。

山間から列車はやってきました。

続いてやってきたのは飯給(いたぶ)駅。小さな無人駅ですが、ここには立派な桜の木があります。

ホーム一面に桜の花びらが舞い落ちて、まるで桜の絨毯を引いているようです。

近くのあぜ道に移動しました。ここでも持ち主の方に断ると『どうぞどうぞ』と快い返事、今日の天気のように清々しい方でした。京都からきたことを話すと、目を丸くして驚いておられました。水田に映る車両を狙ったのですが、直前に風が吹いてしまい、うまく映りませんでした。

推定樹齢数百年の桜の木越に、列車を捉えました。

飯給駅から今度は上総鶴舞駅へ。ここは関東の駅百選にも選ばれた駅です。折り返し列車の車掌さんは見習い中という名札をつけた若い女性でした。私が降りてカメラの準備をしていると『ありがとうございました』と声をかけていただきました。小湊鉄道は、沿線の景色のように車掌さんも気持ちのいい人が多いですね。検札のときも笑顔で廻っておられました。

古い転轍機を見つけました。

上総鶴舞駅も近くに水田があります。今度は水田にきれいに列車の姿が映し出されました。

さて、次の列車が車で待ち時間が1時間あまり。。隣の上総川間駅まで歩いてみることにしました。国道を30分ほど歩くと、駅が見えてきました。

ここ上総川間駅は地元の人たちが植えた花々が美しく咲いています。花を植えた方々に感謝しつつ、撮影しました。

隣の上総牛久駅まで歩いてみました。途中、折り返し列車を撮影です。

上総牛久駅から、折り返し列車で五井駅まで戻りました。

2005年も桜の季節は終わりを告げました。華やかな祭りの後のような儚くも美しい桜の足跡、見ているだけでまるで夢を紡ぐように楽しく、優しい時間が頭に浮かんできます。皆様は今年の桜、どこで楽しまれましたか?皆様の、桜を眺めて楽しそうに笑っている顔が目に浮かんできます。ある経済学の学者が書いた著書の中に、『人生の豊かさや、人の幸せにはそれを計る定規があり、それは笑っている時間の長さである』というくだりがありました。今年も、我々に笑顔をもたらし、人生を豊かにしてくれた桜の花々に感謝します。そしてまた来年もどこかに桜の花を見に行こうと思います。