特急おおぞらの鉄道と旅のホームページ

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『おかえりなさい』ふるさとへ。えちぜん鉄道の秋

『おかえりなさい』ふるさとへ。えちぜん鉄道の秋(2009年撮影アーカイブス)

皆様こん**は。いよいよ紅葉のシーズンも終わり、これから本格的な冬が始まりますね。さて、秋の締めくくりに私が今回やってきたのは、夏に訪問した福井県えちぜん鉄道です。この鉄道が今日に至るまでに背負ってきた様々な苦労は、前回の【小さな路線が起こした大きな奇跡。あったか美人鉄道の旅】のページをご覧になって下さい。今日は、日帰りで出発です。早速早朝の京都駅にやってきました。

今日私が選んだのは、サンダーバード1号です。最新型の683系4000番台車でやってきました。

私が確保していたのは、指定席の8号車。車内は満席でした。

京都から1時間30分で、福井に到着です。

早速えちぜん鉄道福井駅へ。今日も一日フリー切符を買い、出発です。丁度三国港行きの列車がやってきました。今日の天気予報は午前中のみ晴れ、午後から曇りとのこと。晴れている間に青空を収めておこうと思い、三国線の列車に乗車です。前回と同じく、アテンダントさんが笑顔で迎えてくれました。

目的地に到着するまでの間、しばしアテンダントさんの仕事ぶりを観察していました。
常に笑顔で乗客に接し、その笑顔にも、すこしも嫌味がありません。話してかけられている乗客の顔からも、ついつられて笑みがこぼれるような、そんな笑顔です。
ホームで待っている子供には、まるでこちらも子供のように無邪気に手をふり、降りた乗客には、扉が閉まってからももう一度深々とお辞儀をしています。駅が近づくたびに、『次のお出口は左側でございます』とジェスチャーを交えて案内し、要所要所で乗り換え案内、企画商品の案内、マナーを呼びかける案内、短い駅間距離で、どんなに細かくアナウンスをしても、乗客を待たせることはありません。
テープによるアナウンスのあと、マイクで降り口の案内をされ、最後にマイクを使わずに『ありがとうございました。またどうぞ』と声をかけておられます。これは本当にプロの仕事です。
アテンダントさんの仕事振りに感服しながら、下兵庫駅に到着です。私にも、ちゃんと『またどうぞ』と声をかけてくれました。

予報通り、いいお天気ですね!早速撮影地へ向かいました。

大関~下兵庫間の撮影地です。ここは景色がすごく広々としていて、管理人お気に入りのポイントです。空が高いですね。6000型がやってきました。

今度は2両編成の6000型です。畑には、茎の赤い植物が植えられています。まるで畑が紅葉しているようです。

続いて5000型がやってきました。

この透き通った青空をご覧下さい。気持ちいいですね。非常に爽快です。

さて、下兵庫駅に戻ってきました。遠くに見える山々が美しいですね。

さて、一旦福井に戻ることにしましょう。

福井口から、今度は勝山線に乗車です。ところが、空がみるみる曇ってきました。今日は天気予報通り午後から曇り、です。こんなときくらい外れてくれてもいいのに。。。と、いうことで、保田駅までやってきました。

保田駅が近づいた時、『左の窓をご覧ください、霊峰・白山が美しく見えております』とアナウンスが流れ、あわてて窓を見ると、空は曇ってはいますが、白山が堂々とした姿を見せてくれています。
少々興奮気味で、下車準備。アテンダントさんも私のテンションがあがっているのを感じているのか、最高の笑顔で『いい写真を撮ってきてくださいね』と送り出してくれました。
撮影を終えて折り返しの列車に乗ると、偶然先ほどのアテンダントさんが乗務されており、『お帰りなさいませ。いい白山は撮れましたか?』と声をかけてくれました。乗客のことをちゃんと気にかけてくれていて、こういうのは嬉しいですね。

保田駅近くで。後方にうっすら白山が見えているのがわかりますか?

続いて九頭竜川の流れを背景にしてみました。

保田駅近くで、きれいな銀杏並木がありました。目が覚めるような美しさです。

続いて比島駅へ。ここは列車の半数が通過する秘境駅です。

比島~発坂間の森の中へ入っていきました。列車が間近を通過します。

続いて夏にも訪れた下志比駅へ。ここの花壇は以前来たときと同じ美しさを守っていました。
今度乗った列車のアテンダントさんは、風邪でしょうか?マスクをしておられます。ちょっと話しかけにくい雰囲気があったのですが、アテンダントさんから『どこからいらしたんですか?』と声をかけていただきました。
京都からと言うと、そんな遠いところからありがとうございます、と言われたあと、これから来る冬の話題をいろいろ話してくれました。近年は、やはり昔に比べて雪は少なくなっているとのこと。2~3月くらいが一番雪が深いそうです。
今日は日帰りですか?最近日が短いので、暗くなるのが早くなりますから、気をつけて帰ってくださいね。また、どうぞいらしてください。お待ちしています。と、とても心地のいい声で、声をかけてくれました。この雰囲気、本当に貴重ですね。

そして越前竹原駅へ。

ここでは、冬野菜の収穫が行われていました。向こうの山の紅葉をもう少しきれいに撮りたかったのですが。。。

さて、日も落ちてきました。一旦福井へ戻ります。帰り道の車内で、すぐ降りるからとドア付近で立っていると、ロングシートに座っていた家族連れがわざわざ席を空けていただいて『どうぞ、座って下さい』と声をかけてくれました。次の駅で降りるつもりだったので、丁寧にお礼を言ってお断りしましたが、こういう何気ない気遣いが嬉しいですね。

さて、今度は三国線の田原町駅へやってきました。ここは同じ福井の私鉄である福井鉄道との乗り換え駅です。

福井鉄道側のホームです。この雰囲気、まるで昭和30年代ですね。

この駅名票をご覧下さい。

待合室です。本当に30年前に戻ったようです。待合室には、地元の方が寄贈された座布団がしいてある椅子が置いてありました。

ついに雨が降ってきました。ヘッドライトの光が暖かいですね。

折り返し列車で、福井まで戻りました。

福井駅までの通路に、クリスマスだからでしょうか。星のイルミネーションが輝いています。

福井からは、雷鳥42号で京都まで戻りました。特急雷鳥も、もうすぐお別れが迫っていますね。

晩秋に訪れたえちぜん鉄道の旅。いかがだったでしょうか?この路線でしか味わえない暖かさと優しさを、今回も満喫できた旅行となりました。前回も申しましたとおり、えちぜん鉄道は一度廃線となり、そこからの復活を遂げた路線です。悲しい別れを経験した人はその分人に優しくなれるのでしょうか?そんなところにも、この鉄道の優しさの秘密があるように思いました。この路線が再び運転を開始したとき、福井県知事から次の言葉が贈られたそうです【大きなものが失われると、その大切さがわかる。もう失われないよう、皆さんの力で支えてほしい】地元の人にも、ここを訪れる観光客にも、えちぜん鉄道はまるでそこが自分の家であるかのような安心感を与えてくれます。ここは、誰にでも『おかえりなさい』と声をかけてくれる、皆様が持っている心のふるさとのような鉄道だと思います。最後に、私が感銘を受けた歌の一節をご紹介させていただいて今回の締めくくりといたします。これからも季節ごとの表情を撮影しに、ここえちぜん鉄道に足を運びたいと思います